コーチングのスキルアップをするために絶対におさえておきたい5大スキルと5つのポイントはこれ!
目次
コーチングとは?
上手にメンバーの持っている力を引き出すスキルです。
- 人は「それぞれ無限の可能性をもっている」、
- 「その人が必要とする答えはその人の中にある」
- 「その答えに気付くためにサポートが必要」
という3つの考えを基本にしています。
それぞれの人に目標を達成したいと思う気持ちがあります。
その目標を自分で決めた方法で積極的にいち早く達成することが出来るように
個人の特性や強みを活かして、
その人が本来持っている能力や可能性を最大限に発揮させることを第一の目的とします。
自らの中で考えさせて行動をうながすために相手の持つ力を引き出していくために
サポートするためのスキルです。
もともとは優れた人材を育成しているマネージャーの
コミュニケーションスキルを観察することからその特徴を体系化したものです。
仕事に限らず、日常的なコミュニケーションもコーチングの考えをもって見直していけば、
うまく相手を活かすことができるようになります。
コーチングの5大スキル
「ペーシング」
相手の安心感を築くためのコーチングスキルです。
メンバーがリーダーに行動をうながされた時に抵抗感を感じるか、
スムーズに行動をするかはリーダーとどのような関係にあるかが
大きく影響しています。
人にはみな生き残るための生存本能があるため、自分の目の前の
人に対して敵なのか味方なのかを判断します。
敵と感じた相手に対しては、防衛本能が働いて抵抗します。反対に、
味方と感じる相手に対しては、協力関係を築こうとします。
この際に、防衛本能をゆるめ、
相手に安心感を与えるために効果的なものが「ペーシング」というスキルです。
「ペーシング」とは、相手の動きに自分を合わせることです。
例. 話すテンポ、呼吸のリズム、使う言葉、話す内容、
話すテンポ声の大きさやトーン、表情や姿勢など
これらを相手に合わせることで相手は抵抗を感じることなく、安心感を抱きます。
人間は相手と違うことに対しては危機感を抱き、同じであることに安心感を覚えるからです。
■ペーシングの具体例
- 相手が使った言葉を真似して使う。
- 相手の言ったことをそのまま繰り返す。(オウム返し)
- うなづき、相づちを適度なタイミングではさむ
- 相手と視線を合わせて話すようにする。
- 相手の話を聞いている間は頭で他の事を考えたりなどせず、完全に相手に注意を向ける
(何かしながら聞くのは絶対NG!)
「聞く」スキル
コーチングのアプローチでは、しっかりポイントをおさえて相手の
話をよく意識し聞くことで相手のやる気を引き出し、
アイディアや行動に駆り立てるなどパフォーマンスを向上させる効果があります。
また、人はみな自分の話をじっくり聞いてくれる相手に好感を持ち、信頼感を持つため、
良い人間関係を築くのにも役立ちます。心理学の正解で「傾聴」と言われ、
相手の心を開くために効果的です。
「質問」によって視点を変えるスキル
日常的に私たちは、何かを確認するために質問をよくしますが、
コーチングのアプローチでは、相手に考えさせる、
または自分の中で気づきや発見をうながすための効果的な「質問」をします。
「質問」の効果として、行動を引き出すことにつながります。
質問の目的には、次の3つの特徴があります。
- 視点を変えるため
- 選択肢を広げるため
- 気づきをうながすため
視点を変える目的の質問の例
「あなたがもし逆に相手の立場ならどう思いますか?」
⇒相手に視点を変えさせ、自分の問題点に気づいてもらう。
選択肢を広げることが目的にある質問の例
「他にどんな方法があるでしょうか?」
⇒アイディアを引き出し、問題解決へのヒントをうながす
気づきを促す目的の質問の例
「これまでの失敗した経験をどう活かしますか?」
また、「質問」には2種類ありイエスかノーで答えられる「クローズドクエスチョン」と、
自由にその人が考えて答えられる「オープンクエスチョン」があります。
こういった違う視点からの「質問」を目的に応じて効果的に活用することで
相手に気付きを与えて行動をうながします。
単なる事実の確認などの場合はイエスかノーで答える質問が多くなります。
プロジェクトのメンバーからアイディアを引き出したいときなどは、
「オープンクエスチョン」を意識的に増やすと効果的です。
「リクエスト」「提案」で相手を前進させるスキル
今までの3つのスキルのように、相手に合わせる、
話を聞くといった相手を受け止めるタイプのスキルと違い、
相手のことを後押しして前に向かわせるスキルです。
相手の自発的な行動をうながすのが大切ですが、
全てを相手に任せずにリーダーの方でアイディアやアドバイスがある場合は、
「提案」や「リクエスト」をして相手に働きかけていきます。
気をつけることは、あくまで相手の自立性を尊重することを大切にするため、
リーダーの考えを押し付けないようにすることです。
「提案」は、上司の都合や会社の目標の実現のためでなく、相手の成長のためにすることです。
そうするために「提案」をする前に提案が必要なのか、
提案してもよいか許可を得てからすると良いです。
そして、提案した内容を採用するかどうかは相手にゆだねることも大切です。
つまり、断られることを前提にして「提案」することです。
「リクエスト」も同様にリーダー側の都合でするのでなく、
相手の成長や成功のために相手の行動をサポートするためにすることです。
押し付けても抵抗されるだけで、良い結果が生まれません。
「アクノレッジメント(承認)」で成長をうながす
アクノレッジメント(承認)とは、
相手に現れた変化、成長、成果にすばやく気づき、
それ言葉に表して相手にはっきりと伝えることです。
アクノレッジメントを通じて相手が自分の成長を受け止め、
認めてもらうことによって新たなチャレンジや行動へとつながる原動力となります。
アクノレッジメントは、単なる褒め言葉や賞賛とは違います。
褒め言葉は、相手に対しての評価となるために人によっては
素直に受け止めにくいことがあります。
お世辞を行っているよう感じる人もいるかもしれません。
そして、あまり多発しすぎるとそれがなければやる気が出なくなるという弊害もあります。
このような褒め言葉とは違い、
アクノレッジメント(承認)は、変化や成果を事実として伝えます。
◆ほめ言葉の例
「あなたはすごいね」
「君は勉強熱心だね」
◆アクノレッジメント(承認)
「コーチングの勉強をしているんだね」
「今年はずっと目標を達成しているね」
以上の例からわかるのは、アクノレッジメント(承認)は褒め言葉と違い、評価でなく、
事実をそのまま伝えているため、相手が素直に受け取りやすくなります。
最も効果的なアクノレッジメントの使い方は、
相手が自分ではまだ気づいてないことを先に気づいて伝えてあげることです。
これにより、自分のことを良く見てくれているということが伝わって、
リーダーへの信頼感が生まれます。
「自分を認めてくれている」「自分の仕事が認められている」という感情は
チームに所属していることへの安心感やチーム内の信頼関係にもつながり、
その結果としてやる気をうながしてチャレンジなどの行動につながります。
◆組織におけるアクノレッジメント(存在承認)の例
・「おはようございます」「お疲れ様」などの挨拶、
・「ありがとうございます」「よくやってるね」等、感謝や労いの言葉
・仕事を任せる
・ふとした変化に気づいて伝える
・必要とし、相談する
・「頼りにしてるよ」のような言葉がけなど
以上、こんな言葉をかけられたら、
自分も嬉しいと感じるようなアクノレッジメント(承認)を実践してみると良いです。
アクノレッジメントは、効果が出やすいスキルです。
コーチングの5つのポイントで仕事力UP!!
最近では、組織の改革、人材育成のためにコーチングが活用されるようになってきています。
下記の仕事の中でも5つポイントにおいて使われています。
目標の明確化
押し付けたものでなく、自分自身で目標設定する。
目標をしっかり数量化できる具体的な形で設定する
現状の把握と問題点の洗い出し
メンバーそれぞれの背景や課題などをよく考慮して客観的な事実に基づいて現状を把握し、適正な指導のしかたを考えながら、問題点を具体的に指導するようにします。
行動計画&行動
メンバー自身があくまで自発的に自分の目標設定したものを達成するために必要な具体的なアイディアを盛り込みながら、行動を具体的に行動計画に落とし込んでいきます。
チェック&フォロー
メンバーの動きを細かくチェックし、それぞれの目標を見失わないようにしっかりとリーダーが進捗を管理してフォローをする。
フィードバック
メンバーの成長をうながすことを目的としたフィードバックをする。
ネガティブなものの言い方にならないようにする。
まとめ
以上、コーチングの代表的5つのスキルを紹介しました。
「質問」、「聞く」、「アクノレッジメント(承認)」など、
今までやっていなかった方は慣れるまでは難しく感じられるかもしれませんが、
重要なポイントは「相手の成長のために今、最も有効なコミュニケーションはどんなものか」
という視点を持つことです。
まずは難しく考えずに、シンプルに相手の成長をうながすことや、
やる気を引き出すことに重点を置き、コーチングを実践してみましょう。