成功事例から見るブランディング戦略!
目次
ブランディングとは?
今日本には数多くの企業があり、様々な商品が販売されています。
また海外の企業が日本に進出している場合もあります。
そのため店舗に並ぶ商品には同様の物が多く、
購入する消費者としてはどれを選ぶか迷うところです。
そんな中、企業は現状に甘んじている場合ではないのです。
いかに自社の商品を選んでもらうかが大きな課題となります。
そこで重視するべきなのがブランディングです。
ブランディングとは、市場において自社の商品に価値を持たせることで消費者の信頼を得て、
商品を選んでもらえるようにする方法です。
ブランディングという言葉からブランド品のバッグなど高価な物を連想し、
日用品などには関係ないと思われるかもしれませんが、
ブランディングはブランド品に限ったことではありません。
自分自身を商品として扱う個人事業主であっても、
自分自身をブランディングして売り込んでいくことが重要となっています。
つまり多くの物が溢れている現代において、
商品を選んでもらうためにはブランディングは欠かせないということです。
ブランディング戦略とは?
ブランディング戦略は、ブランディングを行い商品に価値を持たせることで、
商品や企業のイメージを付けるマーケティング戦略のことです。
イメージの力で商品力や企業力を上げ、消費者から選んでもらえるようにするのです。
例えばスーパーマーケットやホームセンターに行けば、
棚1つ分を占領してしまうほどに食器用洗剤が並んでいます。
消費者はこの多くの食器用洗剤から1つを選ぶことになります。
ところが「A社の食器用洗剤は一度洗うだけで雑菌を99%取り除いてくれる」
というイメージが消費者の中にあれば、消費者はA社の食器用洗剤を選ぶようになります。
このように顧客の感情移入を促すことで、
この商品ならこのメーカーといった具合に顧客が定着するようになるのです。
またブランディング戦略は、1つの企業に1つのブランディングという決まりはありません。
そのため複数のブランディングを行い、幅広い客層の支持を得ることも可能なのです。
ブランディングのメリット
企業が商品を世に出す場合、
ブランディングが重要だということは分かっていただけたかと思います。
ではここでブランディングを行うことで得られるメリットについてみてみましょう。
競合との差別化ができる
先ほど例に挙げた食器用洗剤のように、
同様の商品を取り扱っている競合他社はたくさん存在します。
そのためただ単に宣伝をしても、
顧客の目には同じような商品としか映らない可能性があるのです。
しかしブランディングに注力することで、消費者はその商品に価値があると感じ、
競合他社の商品と比較するまでもなく選ばれるようになります。
その結果、競合と差別化ができるのです。
価格競争に巻き込まれにくい
同様の商品が多く出てくると、買ってもらうために企業は価格を下げるようになっていきます。
すると他社も価格によって顧客を逃すまいと価格を下げます。
これが繰り返されていくと、その商品の価格は下落していく一方となり、
その商品を販売する意味も失われるでしょう。
しかしブランディングができていれば他社の商品と比較するまでもなく選ばれるため、
他社の商品よりも価格が高くても、消費者は安心感からその商品を購入するのです。
つまり周囲では価格が下がっていく中、価格を下げることなく販売することができるのです。
ブランディングの成功事例
ブランディングがどういった物で、どのような重要性があるのかをご説明したところで、
実際の企業におけるブランディングの成功事例を見てみましょう。
Apple
今や誰もが持っているスマートフォン。
しかしスマートフォンの登場時には世界に大きな衝撃を与えました。
そんなスマートフォンを最初に発表したのはAppleです。
さらにApple製品は洗練されたデザインであり、
システムもシンプルで誰もが使えるというブランディングが行われています。
その結果、スマートフォンの選択肢としてはApple社のiPhoneか、
他社のAndroid端末となりますが、初めてスマートフォンを購入するのであれば
iPhoneがおすすめだと広く言われるようになったのです。
それもAppleのデザインが優れている、
簡単に使えるというブランディングが成功しているためです。
スターバックス
若者から高齢者まで幅広い人気を獲得しているスターバックスも、
ブランディングに成功しています。
コンビニでも挽きたてのコーヒーが低価格で販売されている中、
クーポンやセットメニューなどを一切取り入れていないにもかかわらず
人気のスターバックスでは、
コーヒーよりもおしゃれな空間を提供するというブランディングが行われています。
またパートナーと呼ばれる働く人とのコミュニケーションもスターバックスの魅力です。
足を運べば親切に明るく接してくれるパートナーがいることが、
また訪れようという気持ちにさせるのです。
ルイ・ヴィトン
男性はブランドバッグなどに詳しくない方も多いかもしれませんが、
ルイ・ヴィトンというブランド名は知っているでしょう。
また同時に高級なブランドだということも知っているかと思います。
このようにルイ・ヴィトンは持っているだけでもステータスになる
というブランディングが行われています。
そのため数多くのブランドバッグが販売されている中、
誰もが知っているルイ・ヴィトンを持っておけば周囲にも自慢できる
という気持ちにさせるのです。
ブランディング戦略の2つの考え方
ブランディング戦略を行う上で重要な2つの考え方があります。
それが機能的価値と感情的価値です。
これらはそれぞれどのような考え方なのでしょうか。
機能的価値
機能的価値とは、その商品が持つ機能における価値です。
例に挙げている食器用洗剤であれば、食器が綺麗になる、
除菌ができるといった機能です。
もちろんこういった当たり前の機能も機能的価値になりますが、
ブランディングを行う上では当たり前の機能的価値だけでは足りません。
AppleのiPhoneのようにシンプルで使いやすく、
誰もが簡単に使えるというのは機能的価値であり、Apple独自の機能とも言えます。
また物だけでなく、料理についても美味しいという価値は機能的価値に当たります。
この様に今までにない新たな付加価値が加えられていれば、
顧客から喜ばれ、その分その商品は選ばれやすくなるということです。
感情的価値
商品に対して顧客が好きか嫌いかという感情を感情的価値と言います。
AppleのiPhoneのような洗礼されたデザインや、
スターバックスのおしゃれな空間などは、好きだと思う人が多いでしょう。
このように商品に対して好きか嫌いかという感情を持つ場合、
好きだという感情に針が振れるような価値を造り出すことが大切なのです。
またそれによって共感が生まれ、口コミで広がることも重要です。
スターバックスでは一切CMが放送されていませんが、口コミなどにより人気は高まりました。
ブランディングのポイント
ブランディングを行ううえで重要となるポイントもあります。
そのポイントをしっかりと抑えておかなければ、
ブランディングの成功はないと言えるかもしれません。
ブランドコンセプト
ブランディングのポイントはブランドコンセプトです。
これは商品のコンセプトのことですが、
誰に対して何を提供するのかというコンセプトを明確にしなければ、
顧客の信頼を得ることはできません。
例えば成功事例にも挙げているスターバックスでは、
おしゃれな空間によるブランディングが行われていました。
しかし単におしゃれにこだわっているわけではなく、
家でも会社でもない第3の特別な空間を作り、
その空間を顧客に提供することがコンセプトとなっています。
そのためスターバックスでは店舗によって使われている椅子とテーブルが違い、
ビジネスマンが多く訪れる店舗では椅子とテーブルが高めになっています。
このような場所ごとの空間づくりも、
空間を提供するというスターバックスのコンセプトによるものであり、
それが顧客の信頼へとつながっているのです。
まとめ
現代の企業において重要なブランディングについてみていきました。
同様の商品が多く販売され、競合他社との争いが激しくなる中、
ブランディングによって顧客の信頼を得ることは非常に重要なことです。
しかしブランディングもそれほど簡単に行えるものではなく、
他にはない突出した機能的価値や感情的価値を作り、
コンセプトを明確にしたうえで商品を売り込まなくてはなりません。
商品や企業のイメージが多くの顧客に浸透するまでには時間がかかるかもしれませんが、
しっかりとブランディングを行うことで自社の商品は輝きを見せるようになるでしょう。