目次
キャッシュフローとは?
会社が営業を行っていくうえで、お金の流れは非常に重要です。
そのお金の流れを表す物としてキャッシュフローという言葉があります。
ではこのキャッシュフローとはどのようなものなのでしょうか。
キャッシュフローは、キャッシュ・イン・フローとキャッシュ・アウト・フローからなります。
まずはキャッシュ・イン・フローとキャッシュ・アウト・フローについて、それぞれ見ていきましょう。
キャッシュ・イン・フロー
キャッシュ・イン・フローは、会社に流入したお金の流れを表します。
例えば会社が営業していく中で販売した商品の売り上げ金などはもちろん、株主からの出資や銀行からの借入金も、会社に入ってきたお金であるためキャッシュ・イン・フローに含まれます。
手元に入ってきたお金は、キャッシュ・イン・フローに含まれると考えればよいでしょう。
キャッシュ・アウト・フロー
キャッシュ・アウト・フローは会社から流出したお金の流れを表します。
会社で商品の販売をする場合、まずは商品自体を仕入れなければなりません。
その仕入れにはお金がかかるため、お金が会社から流出することになります。
また会社の営業に伴う人件費などもキャッシュ・アウト・フローに含まれます。
ただし数年をかけて少しずつ計上していく減価償却費などは、キャッシュ・アウト・フローに含まれません。
キャッシュフローと利益の違い
キャッシュフローは、キャッシュ・イン・フローとキャッシュ・アウト・フローからなると書きました。
キャッシュ・イン・フローが売り上げなどのお金の流れで、キャッシュ・アウト・フローは仕入れなどのお金の流れであるならば、キャッシュフローは利益と同じ意味を持つのではないかと思われるでしょう。
しかしキャッシュフローと利益は違う意味を持ちます。
利益は売上が発生した段階で計算されるため、現金が手元にない状態でも計算されます。
例えば商品が売れてから入金までに時間がかかる場合でも、入金前に売上として計算するのが利益です。
それに対してキャッシュフローは手元にある現金を元に計算します。上記の例で言うと、入金が行われたタイミングで計算をするということです。
また減価償却は支払いこそ1度で済ませますが、計算上は数年をかけて計上していきます。
つまり計算上は減価償却費が毎年支払われていることになりますが、実際には現金のやり取りは行われません。
そのためキャッシュフローに減価償却費は含まれないのです。
4つのキャッシュフロー
キャッシュフローはお金の流れを表すものですが、さらに4つの種類にわけることができます。
それではそれぞれのキャッシュフローについて見ていきましょう。
営業キャッシュフロー
良い会社の条件は様々ありますが、数値に観点を置くと、この営業キャッシュフローがプラスであることが良い会社の条件となります。
営業キャッシュフローは、会社が営業することによって1年間でどれだけのキャッシュを生み出せたかを表すものです。
営業キャッシュフローがマイナスになれば、借り入れなどが増えてしまい、営業を継続させることが難しくなります。
つまり営業キャッシュフローは会社にとって重要であるといえるのです。
投資キャッシュフロー
投資キャッシュフローは、その名の通り投資によって増減するキャッシュフローです。
会社を営業していくには、会社を置くための建物が必要になります。また製造業であれば工場も必要になりますし、機械も必要になるでしょう。
また顧客への営業を行うには、社用車も必要となります。
こういった必要なものを購入する際に発生するお金の出入りは、投資キャッシュフローに含まれます。
機械や社用車を購入すると投資キャッシュフローはマイナスになり、売却するとプラスになります。
そのため投資キャッシュフローは通常マイナスになるものです。
もしプラスになることが多い場合は、うまく設備投資ができていないことになるため、会社の質の低下につながります。
財務キャッシュフロー
会社の営業を続けていくにはお金が必要となります。
そのため営業キャッシュフローを増やして、営業に使えるお金を増やさなくてはなりません。
しかし営業がうまく行えないと、営業キャッシュフローはマイナスになっていきます。
つまり営業に使えるお金が不足し、仕入れなどもできない状態になってしまうのです。
そこで銀行などから借り入れをして使えるお金を調達し、営業を続けていくことになります。
そしてお金に余裕が出てきたら、借り入れ分を返済しなければなりません。
この借り入れによるお金の調達や、返済によるお金の流出を表しているのが、財務キャッシュフローです。
財務キャッシュフローはプラスになることで、手元のお金が増えていることを表しますが、これはいずれ返済しなければならないため、プラスになることは良いことではありません。
フリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフローは、上で書いた営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足したものです。
このフリーキャッシュフローもプラスになることで、良い会社だといえます。
前述したように営業キャッシュフローはプラスになるほど良いものです。そして投資キャッシュフローは通常マイナスになります。
つまり営業によって得たお金よりも、投資に使ったお金の方が多くなるとフリーキャッシュフローもマイナスとなってしまうということです。
反対にフリーキャッシュフローをプラスにしようとして、投資を抑えると会社の質は低下します。
理想的なのは、営業キャッシュフローを増やし、フリーキャッシュフローをプラスに維持したまま投資キャッシュフローも十分に行えるようになることが、会社にとって良いお金の流れだといえます。
黒字なのに倒産!?
会社において倒産は絶対に避けたいものです。
しかし設立した中小企業の9割以上は、設立から10年以内に倒産してしまうといわれています。
会社が倒産する原因の多くは赤字です。
会社を営業することによって流入してくるお金よりも、仕入れにかかる費用や人件費、借入金の返済などが多くなることで、営業が先行かなくなってしまうのです。
しかし中には黒字であっても倒産することがあります。それはなぜでしょうか。
例えば会社である商品を販売する場合、その商品を仕入れなければなりません。自社で製造している場合であっても、材料などを仕入れる必要があります。
つまり営業を始めるにもお金が必要となるということです。
そこで営業を始めるためのお金を借り入れして、営業を始めたとしましょう。
営業は順調にいき、多くの商品が売れて利益も生まれたとします。利益があれば、それを元にさらに商品を仕入れて営業を続けられます。
はたから見れば順風満帆です。
しかし忘れてはいけないのが、営業を始める際に借り入れたお金です。
この返済金が、商品を販売することで生まれた利益よりも多くなると、当然返済できなくなってしまいます。
また仕入れた商品が全て売れるわけではなく、返済日までに一部しか売れない可能性もあるわけです。
利益だけで見れば黒字であっても、借入金の返済を含めると返済ができずに倒産するということもあるのです。
ここで挙げた例は非常に簡単な例ですが、一瞬の判断ミスで黒字であっても倒産に追い込まれる可能性もあるということです。
お金の動きは「キャッシュフロー計算書」でわかります!
キャッシュフローはお金の流れを表しており、そのお金の流れを表した計算書として「キャッシュフロー計算書」というものがあります。
これは会社でのお金の動きを把握するのに最適です。
キャッシュフロー計算書には、実際に手元にあるお金を記載することになります。
例えば全てのお金を金庫で管理している会社があったとします。
この会社の金庫にいくらのお金が入っているのか、そしてそこからいくらのお金を使用したのかということが、キャッシュフロー計算書でわかるということです。
主婦の方がよく家計簿を付けていますが、キャッシュフロー計算書は家計簿の会社版ともいえるのです。
キャッシュフロー計算書と貸借対照表の違いとは?
上で紹介したキャッシュフロー計算書とは別に、貸借対照表と呼ばれるものもあります。
この貸借対照表とキャッシュフロー計算書はどのように違うのでしょうか。
キャッシュフロー計算書は前述したように、実際にあるお金を、お金の流れに沿って記したものです。
それに対して貸借対照表は、株主からの出資や銀行からの借入金といった流入してきたお金がいくらなのか、そしてそれらのお金をどのように使ったのかを記すものです。
つまりキャッシュフロー計算書はお金の流れを、貸借対照表はお金の出入りの詳細を記すものだということです。
その他にもお金の流れを記す書類は数多くあり、会社ではそのすべてを作成しなければなりません。
似たような書類であっても、どれも違う意味を持っているため、会社の営業を続けていくのであれば、各書類の見方を知っておかなければならないのです。
まとめ
キャッシュフローとはどういったものなのかを見ていきました。
会社にとって重要なのはお金の流れです。お金の流れをしっかりと把握しておかなければ、倒産に追い込まれてしまいます。
中小企業の9割は10年以内に倒産すると書きましたが、これはキャッシュフローがうまく理解できていないことも原因の1つなのではないかと思います。
キャッシュフローについて詳しくなることで、会社の経営もうまくいくようになるのではないでしょうか。
なお、キャッシュフローの数字を把握するのが得意なタイプと苦手なタイプの人がいます。
得意な人はぜひ、ご自身でキャッシュフローの扱い方を学びましょう。
苦手な人は、得意な人からアドバイスをもらえる体制を作っていきましょう。
すべてを自分でやる必要はありません。
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ダイナモ、もしくはブレイズの判定がでたら、キャッシュフローの理解をするのが苦手な可能性があります。
テンポ、もしくはスチールの判定がでたら、比較的キャッシュフローの理解をするのは得意かもしれません。
あなたはどちらでしょうか?