リーダーシップとマネジメントを理解する上で必要なポイントを徹底解剖!
目次
リーダーシップとマネジメントはどんなものか?
リーダシップとは?
一般的には、「人が人に与える影響力」のことをいいます。
リーダーがメンバーに影響を与えながら、目標達成に向けて行動をうながしていきます。
リーダシップは、どの方向に向かって進むのか方向性を指し示すことをいいます。
マネジメントとは?
指し示された方向に向かって、能率と効率をよく考えながら
管理やコントロールをしていくことです。
リーダーシップとマネジメントの本質的な違い
まずはそれぞれの本質を理解する必要があります。
リーダーシップの本質とは?
「人が人に与える影響力」を持つという事の本質的な意味を考えてみます。
リーダーシップは、リーダーの人間性によって、メンバーを動かしていくことをいいます。
まずは、リーダーの大切な役割として、ビジョンを描くことがあります。
「5年後、10年後にメンバーとどうなっていたいのか?」—-
理想の未来をリーダーが思い描いて、それをメンバーに伝え続けます。
リーダーシップとは、いつも「未来」のビジョンに目を向けて行動していくことです。
マネジメントの本質とは?
ビジョンを描き、ゴールを設定する一方、未来ではなく、「今」に目を向けて、「今」すべき現実的な仕事を考える必要があります。
計画の目標を意識しながら、現実的に目の前で起こる問題や課題に取り組んで、目標達成に向かって進捗の管理をしていきます。
このように「今」に目を向け、プランに従って行動していくことが、マネジメントです。
リーダーシップとマネジメント、どちらが重要?
私たちはリーダーシップとマネジメントの役割
を同じような意味合いとしてとらえてしまいがちです。
まずは、この2つの役割が全く違うものえあることをおさえておくことが重要なポイントです。
そして、もう1つの重要なポイントは、リーダーシップがなければ、マネジメントは機能しない、あるいは意味がなくなるということです。
リーダーシップとマネジメントは、ちょうど「コンパス」と「時計」に例えることができます。リーダーシップは、「コンパス」を表し、マネジメントは「時計」を表します。
日本の会社組織では、リーダーシップを発揮する人がリーダーで、マネジメントを行なう人がマネージャーというように、単なる役割だと誤解をされている方も多いようです。
その理由は、マネージャーの方が上位の役職でその下にリーダーという役職の人がいるという会社もあるために、誤解をされているのかもしれません。
ただし、実際はリーダーが進むべき道を決めて、マネージャーがその道に従って進んでいけるように管理・コントロールをしていくということなのです。
これが会社組織ではなく、個人のリーダーシップの場合については少し補足が必要になります。
個人のリーダーシップとマネジメントのことをそれぞれ前に「セルフ」を付けて、「セルフ・リーダーシップ」と「セルフ・マネジメント」といいます。
「セルフリーダーシップ」は、自分の中にコンパスを持つことであり、未来のビジョンを思い描いて進む方向を決めることです。
それがリーダーシップを発揮することに大きくつながっていきます。
つまり、自分がどちらの方向に向かって進むのか、自分自身の方向性を指し示すものをもつことは個人としてリーダーシップを発揮するためにかなり重要だということです。
このように「セルフリーダーシップ」は、自分の人生や仕事の進むべき道を決めることなのです。
会社の中では、毎日、戦略的な事柄や決まったルーティーンで行なう業務が多数あります。
毎日の生活の中でも同じように、意図的に意識してやっている事と無意識のうちに習慣としてやっている事があります。
このような視点で見れば、ルーティーンワークの世界に入っている事は、マネジメント的な要素が強いといえます。
一方、自分が行きたい方向に向かって計画し、戦略的に取り組んでいくことは個人のリーダーシップにつながっていくことです。
リーダーシップとマネジメント、どちらが上とかいう事では決してありませんですが、まずは先にリーダーシップがあってこそ、マネジメントが存在するということです。
視点を「今」に向けて、問題が起きないように職場の秩序を維持することは重要な仕事です。そのため、決してマネジメントよりリーダーシップの方が優れているということはありません。
もし、マネジメントが土台になければ、リーダーシップが機能しないのも事実です。
人間的な魅力だけでは、サークルのリーダーは務められてもビジネスでのリーダーシップは発揮できないからです。
置かれている状況を分析して、「今は、リーダーシップとマネジメントのどちらの力を優先して出していくべきか??」と考えながら、行動の指針を考えて、この2つの考え方が一緒くたになって混乱するより、2つの能力をあえて切り分けて考えることで、行動がもっと明確にハッキリしていくはずです。
その結果、もっともっと行動を起こしやすくなっていきます。
会社組織、または自分自身が停滞していると思ったならば、「未来」を視野に据えて変化を起こすことが求められます。
これがリーダーシップです。
一方、会社で問題が頻発して起きているようであれば、その問題を今すぐに解決して、秩序を回復し、それを維持していかれるようにマネジメントしていくことが必要になります。
リーダーシップとマネジメントにはどちらが上とか下というような、優劣があるわけではなく、
どちらも必要な車の両輪として、「今」と「未来」のどちらも両目で見つめながら、行動していくことが大切なのです。
リーダーの仕事、マネージャーの仕事
リーダーの果たす役割
経営する上では、
リーダーは方向性を示す役割を担っているため、企業の理念や目標・戦略を決めます。
リーダーの目を向けるべき対象は、「人」です。
リーダーは、「人」に目を向け、メンバーを鼓舞し、組織内の士気を高めることに力を注ぎます。
リーダーは、目標にたどり着くまで、メンバーのモチベーションに気を配ることが
最も重要な役割です。
リーダーの役割を以下にまとめます。
- ビジョン・進む方向を明確にして、それをメンバー達に伝え続ける
- つねにメンバーとのコミュニケーションを心がけ、組織のムードを盛り上げる
- メンバーにタスクを任せることや褒めることで信頼関係を築き上げ、メンバー一人一人のモチベーションを上げる
マネージャーの果たす役割
マネージャーはリーダーの決めた方向性を実現するために、きめ細やかな計画を立てていきます。
マネージャーは、システムやルールに着目して、人をコントロールしていくことに力を注ぎます。
マネージャーは、リーダーの立てた目標を達成できるように、結果を出すために人・モノ・カネのやりくりする役割をします。
以下に、マネージャーの役割をまとめます。
- 目標を達成するために必要な行動計画を細分化して計画を立案し、
立てた計画どおりに進捗していくように管理をすること。 - 組織の仕組みを作り、メンバーをそれぞれの適所に配置する。
- 組織のコントロールをし、起きた問題・課題の解決をする。
リーダー向きの人、マネージャー向きの人とは?それぞれの役割分担はどういうものか?
リーダー向きの人はどんなタイプの人?
リーダーシップ能力に優れている人は、変革を成し遂げる能力を持っている。
「攻め」に向いている人。未来志向型。
リーダー向きの人は、
- 受身ではなく、能動的に自らアイデアを生み出し、組織の進む方向を決定する
- 長年の問題に新しい方法を導入する
- 案件はメンバーにとって何を意味するのかに関心有り、深く感情移入をする
「動」のイメージを持っています。
マネジメント向きの人は、どんなタイプの人?
複雑な環境に適応し管理する能力を持っていて、現実的な視点を持つ人。
「守り」に向いている人。現実思考型の人。
マネジメント向きの人は、
- 人間味には欠けている、クールな人。
- 問題解決のために損得勘定・緊張緩和・妥協のために権力を使う。
- 物事がどのようになされるかに関心があり、自分の役割を遂行するためにメンバー達と関わる。
「静」のイメージを持っています。
それぞれの役割分担が必要!
環境変化に対して、リーダーは計算されたリスクに基づいて改革をしていく人であり、
マネージャーは予想されるリスクを回避したり、問題を解決したり改善したりしていく人です。
リーダーは中・長期的な視点を持ち、マネージャーは短期的な視点を重要視します。
影響力の源は、リーダーは「人望」、つまり「人間的な魅力」で、マネージャーは「地位」や「権力」と考えることができます。
基本的にこのように全く反対の2つの能力を習得するためには、全く異なったトレーニングが必要です。
このことを理解していないと、マネージャーが部下の信頼を損なうようなことが起きます。
例えば、「成果を出すこと」を優先するあまりに、「部下のモチベーションの低下」には気づかないことです。
そうすると、結局はチームが壊れてしまうことになります。
では、そうならないためにはどうすればいいのでしょうか?
今、求められるリーダーに必要なマネジメント力とは?
企業を取り巻く環境は大きく変化していき多くの企業では、
「リーダーのマネジメント力」が求められています。
特に求められている重要な課題として、
そのままにしておいたら低下していってしまいがちな、
メンバーのモチベーションをどうやってキープするようにしていくか?
>業務量が増える中で、どうやってメンバーの指導と育成に取り組むか?
の2点です。
これは厳密に言えば、マネジメントの課題ではなくて、リーダーシップの課題です。
リーダーが組織の持つ潜在能力を引き出し、変化に柔軟に対応してすばやく変革を起こしていくことが必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
以上、お伝えしてきましたようにリーダーシップとマネジメントは全く別のものであり、
目標をやり遂げる上で、どちらの能力も必要になります。
組織の中には、リーダー向きの人とマネジメント向きの人が必要であり、
それぞれが能力を発揮して、うまく役割分担をすることで企業内の目標が達成できるといえます。
これを個人の問題として考えるならば、自分がどちらに向いているのかをまずは知った上で、
「セルフ・リーダーシップ」と「セルフ・マネジメント」のできるだけ両方のバランスをとるようにしながら、その場面に応じ、必要な方の能力を発揮できるようにしていかれれば、目標達成がしやすくなることでしょう。