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ライフワークバランスとは?
最近よく耳にする「ライフワークバランス」どんな意味かネットで検索する人が増えています。このライフワークバランスは「仕事と生活のバランス(調和)」という意味で、その名の通り自分の仕事と仕事以外(プライベートの時間や子育てや親の介護、また地域での活動など)のバランスが取れて充実した生活を過ごすことを言います。現代社会では、長時間労働の過労死やうつ病などの精神疾患や仕事の為に私生活が犠牲になる場合も多いです。そのため仕事と生活を正しく調和するためにこのライフワークバランスが注目されています。「仕事を頑張っているから私生活が潤う」「私生活が充実しているから仕事も頑張れる」というワーク&ライフ双方のバランスをしっかり保って人生豊かなものにしたいですね。
ライフワークバランスの誤解
ライフワークバランスは、仕事と生活、どちらかを犠牲にするものではありません。片方が増えれば片方が減るといったような事はないです。バランスという言葉に惑わされて比率で仕事や生活を分けようと誤解している人も多いので注意しましょう。ライフワークバランスの状態が良いと、仕事と生活においてプラスのサイクルを生みだします。さらに私生活でも好循環になり、より良い私生活をおくることが出来るのです。もう一度確認しますね、ライフワークバランスとは「仕事や生活のバランスをとることで生まれる相乗効果や好循環」のことを指します。
ライフワークバランスに取り組み成功している企業
第一生命保険株式会社
第一生命保険株式会社が取り組んでいるライフワークバランスは残業時間を減らし、有給休暇取得率を上げたことです。具体的には、仕事の終了時間目標を設定し管理職や役職がある人は19時30分まで。アソシエイトは18時30分までや早く帰る日を設定しています。また計画公休制度を導入し、年間6日間の年次有給休暇を必ず取得するルールを決定しました。
この取り組みの結果、ファミリーフレンドリー制度の利用者が増え月間の平均残業時間も業界平均値に比べおよそ3分の1になっています。さらに年次有給休暇取得率も増え、およそ7割近くになりました。
森永乳業株式会社
森永乳業株式会社は、東日本大震災の影響で電力供給の不安定から従業員の安全確保を重視する(帰宅時の危険回避のため明るい時間に帰宅を目指す)ために、サマータイム制を導入しました。始業・就業時間を1時間早める実施を行いました。
その結果、業者などから電話がかかる営業時間前の1時間に、「集中して会議の資料を作ることができる」や「メンバー全員が会議に参加し意思疎通がさらに強化できた」などの嬉しい状況になりました。さらにその積み重ねが時間当たりの生産性を上げ、社員からも「働き方の見直しが進んだ」「導入によるメリットがあった」という声が多数ありました。
株式会社北國銀行
北國銀行は、「Women’s Style」という女性のプロジェクトチームが、ライフワークバランス&女性社員のキャリアアップサポート等を行っています。女性の目線で、働き方や仕事などを幅広くアドバイス。ライフワークバランスでは特に育児休業取得に力を入れています。イクメンパパのサポートとして連続5営業日以内の育児休業を有給化しました。
その結果3名の社員が利用しました。さらに、育児休業中の職場復帰サポートとして、職場復帰に際して起こりうる生活の状況や事前説明などのミーティングを開催しています。自宅で業務の知識を学ぶDVDなども貸し出し職場復帰がスムーズに運ぶようサポート しています。
旭化成グループ
旭化成グループが取り組んでいるライフワークバランスは、介護支援制度です。高齢化社会に伴い、今後社員が遭遇する介護生活と仕事の両立ができるように、介護支援勤務制度を充実させました。その中で社員が出退勤時間を決めることができるフレックスタイム制を導入。コアタイム(社員が働く時間帯)が短縮され、働くスタイルが柔軟になりました。さらにフルタイム勤務を前提とし、給与面などの安定を図り仕事と介護の両立を実現させるサポートをします。子育てと違い介護は先が見えないので何年何十年続くかわかりません。そのためこの制度は期限を定めていません。
住友林業
住友林業が取り組んでいるワークライフバランスは知識普及として在宅勤務制度を導入しています。裁量労働社員がシンクライアント端末を使用することで自宅勤務が可能となりました。時間を有効的に使用できるとともに場所も自由にすることで、効率的に労働がすすみ労働時間削減ができます。この制度は震災後から見直され注目されています。しかしながら、自宅で仕事をするときの問題点として会社の情報漏洩に注意が必要です。そこでシンクライアント端末を使用し、セキュリティ対策や場所の違うサーバーにて情報を一元管理しています。
他国に見るワークライフバランスの取り組み方、考え方
日本と友好関係にあるドイツは勤勉な国民として似ている一方で、働き方は少し違うようです。ドイツ人は仕事に対してのメリハリがあるので生産性が高く、ワークライフバランスを取り組みプライベートも充実させています。早速ドイツのワークライフバランスの取り組み方や考え方を見ていきましょう。
- ドイツは始業時間が早く、朝から集中して働きプライベートの時間を充実させている。ドイツ人にとって限られた時間でいかに効率よく仕事をするかというのが仕事に対する基本的姿勢。具体的に、工場では朝7時から事務所では8時から仕事が始まり夕方には家に帰り着きます。(公務員であれば朝7時からお昼3時ころには家に着く)サマータイムになればさらに1時間早くなるので、半日はプライベートを楽しむことができます。
- 職住近接を図っている
ドイツは、大規模や中規模の都市が散在しています。さらに職住近接を図っているので、1時間未満、平均すると30分程で会社に行くことができます。
- 有給休暇をきちんと消化する
日本とドイツの一番の違いは、ドイツでは休暇がとても長いことです。具体的には、1年間に最低でも24日は有給があります。休暇はもちろん分けてとることも可能なのですが、1回は最低でも12日連続でとるように決められています。さらに有給24日に土日の休みを追加すると最大40日ほどの休みを取ることができるのです。日本では考えられませんが、長期休みをとって家族で旅行に行くなど、プライベートも充実しています。
このようにドイツ人は、仕事とプライベートの両立で人生を楽しんでいます。会社自体もファミリー企業に選ばれるよう努力をしています。
ワークライフバランスを取り組むメリット
ワークライフバランス最大のメリットとは、社員を大切にできるということです。一人一人家庭の事情は違いますが、時間を効率よく使うことで家庭にいる時間を増やすことができます。その結果今まで出来なかったことが出来るようになり家族との時間やプライベートが充実してくるでしょう。育児や介護もストレスなく関わることができるようになり、さらに自分自身のスキルアップに時間を使うことが出来るようになります。プライベートが充実することで、仕事の生産性も自ずと上がり、社員一同が幸せの方向に向かうというプラスの相乗効果が会社全体に広がって来ます。
ワークライフバランスを定着させるには?
ワークライフバランスを利用して、「育児休暇をとりたい!」「有給を消化したい!」と思っても、休みをとったことで肩身が狭い思いをするなら本末転倒ですよね。まだまだ浸透しにくいワークライフバランスを定着させるためには、会社側の工夫も必要になります。人事担当や会社の上司が、社員(老若男女問わず)の趣味やプライベートに使う時間を見守り、保障してあげることが大切なのです。会社側の人が社員一人一人に目を配ることで信頼出来るお互い様の心が通った風土として会社が繁栄してくるのです。ワークライフバランスを定着させる為には、会社側の理解と社員とのコミュニケーションが大切です。
まとめ
成功企業から学ぶワークライフバランスの取組み事例を紹介していきましたが、いかがでしたか?ワークライフバランスは、会社も社員も一緒になって幸せの方向に進んでいける素晴らしいものだと分かっていただけたと思います。高齢化が進む日本にとって、社員の確保や生産性の確保するために、取り組んで行くべきだと思います。成功企業を参考にして検討してみましょう。